主査の広島工業大学工学部竹田宣典教授から、総会で報告された内容が紹介され、初期ひび割れのうち、セメントの水和熱に起因する温度ひび割れと施工時のブリーディングが多いことによる沈みひび割れを対象とした対策の在り方の議論がなされた。抑制効果のある低収縮性のセメントを使用した事例や、フライアッシュを用いた事例、施工面で効果的な対策が示されたが、初期ひび割れを抑制するためには、発注者、設計者、製造者、施工者などの様々な立場の方の連携が必要である。まずは、発注者の仕様に入れなければ実現しないとの意見があり、そのためには確固たるデータで示す必要がある。例えば、フライアッシュを用いた事例も紹介されたが、より効果を上げるためには管理材齢を長期に変更することが望ましい。また、コスト面から費用対効果の検討が必要であるとの意見もあり、普及されるためには、コストの比較データも必要である。そこで、管理材齢を延ばせる根拠を示す資料を作成することとなった。