2022年6月22日 中建日報 C・M・Sのテーマ別協議会 さらなる連携へ議論深める | プレス情報 | 近未来コンクリート研究会は、インフラを適切に維持管理することを推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究を行います。

プレス情報

2022年6月22日 中建日報

C・M・Sのテーマ別協議会
さらなる連携へ議論深める
近未来コンクリート研究会

2022年6月22日 中建日報 C・M・Sのテーマ別協議会 さらなる連携へ議論深める | 近未来コンクリート研究会
 近未来コンクリート(十河茂幸代表)は17日、2022年度第1回目となるテーマ別協議会を広島市中区で開き、「初期ひび割れ抑制技術研究(C)協議会」「脱炭素コンクリート技術研究(S)協議会」「RC構造物の延命化技術研究(M)協議会」のそれぞれに対面・WEBで約20人の専門家が出席。適正な維持管理に向けた連携について、議論を深めた。
 3協議会ではともに、今月上旬に開いた第4回総会で示した活動方針を確認しつつ、これらを実現するための具体的なアクションについて協議した。
 広島工業大学工学部の竹田宣典教授が主査を務める「C協議会」では、初期ひび割れのうち、セメントの水和熱に起因する温度ひび割れと施工時のブリーディングが多いことによる沈みひび割れを対象に対策の在り方を議論。
 抑制策として、低伸縮性のセメントを使用した事例やフライアッシュを用いた事例など効果的な対策が示される一方、発注者・設計者・製造者・施工者などの連携が必要であるとの見解で一致し、これらの材料の費用対効果をデータで示すため、管理材齢を延ばせる根拠を示す資料を作成するとした。
 広島工業大学建築学部の坂本英輔准教授を中心に進めている「S協議会」では、広島県生コンクリート工業組合から、CO2をコンクリートに練りこんで強度を高める実験やジオポリマーの実験についての中間報告があり、映像も交えて考察。カーボンニュートラルの技術は進化が激しいことから、今後は情報をさらに集め、地球温暖化対策を研究する。
 極東興和の江良和徳氏による「M協議会」では、コンクリートメンテナンス協会と共同で作成した「小規模RC橋梁の簡易点検要領(案)」について、広島県土木協会から同要領や簡易補修を試行した事例が紹介された。
 「簡易とはいえ、橋梁の劣化を予測できる方法として有効」との見解が示され、さらに進化させるための見学会などを提案。M協議会には専門家が多く参加していることから、調査への参加要請もあった。
 このほか、特別講演も開かれ、大林組とフローリックが共同開発し、高炉セメントと併用することでカーボンネガティブを達成できる可能性がある「リグニンクリート」について、フローリックが紹介した。