プレス情報
2020年9月3日中建日報
10カ月振りに協議再開
21年度総会で成果発表へ
近未来コンクリート研究会
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表) による2020年度第1回目のテーマ別協議会(C、M、P)が先月末、広島市中区であった。新型コロナの影響で約10カ月振りの開催となった協議会では、感染拡大防止対策を行いつつ、21年度総会での成果発表に向け協議を再開することを確認。温度ひび割れ防止に効果が期待される「フライアッシュ」の具体的事例の紹介などもあった。
同研究会は、コンクリート構造物の長寿命化に向けた異業種間連携を目的に、元広島工業大学教授の十河代表が中心となって設立。
「初期ひび割れ抑制技術(C)協議会」「延命化のための維持管理技術(M)協議会」「コンクリートの生産性向上(P)協議会」の3つの協議会に分かれて各分野の専門家が熱の入った議論を展開し、当初は約2年間の活動期間を経て20年度総会で成果発表を行う予定だったが、コロナ禍によって昨年10月以降の全協議会が中断していた。
十河代表は冒頭で、これまでの経緯や今後の進め方について説明したのち、21年度総会での成果発表に向けて積極的な議論を行うよう要請した。
広島工業大学工学部の竹田宣典教授を主査とする「C協議会」では、第24回土木施工管理技術論文で最優秀賞を受賞した高知県でのフライアッシュ活用の実施事例が紹介されたほか、中国電力によるフライアッシュ関連商品「エコパウダー」の概要などを説明。今後はチェックリストの作成など、抑制策の提案に向けて活動を継続するとした。
江良和徳氏(極東興和)が主査を務める「M協議会」では、コンクリートメンテナンス協会と共同作成した「小規模橋梁の簡易点検要領」「コンクリート構造物を対象とした亜硝酸リチウムによる補修の設計・施工指針(案)」を解説し、メンバーから質問が上がった「断面修復工法のあり方」についての議論もなされた。
また、広島工業大学建築学部の坂本英輔准教授らの「P協議会」は、生産性向上技術のコロナ禍における課題、関係各所へのアンケート調査について協議。
このほか、特別講演として中研コンサルタントの茨木柚季氏が「RC構造物の診断に必要な各種分析技術」を披露した。