2017年11月13日「あるべき姿」目指し活動   セメント新聞|近未来コンクリート研究会は、インフラを適切に維持管理することを推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究を行います。
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2017年11月13日「あるべき姿」目指し活動   セメント新聞

JCI・コンクリート基本技術調査委

■製造〜施工、5WGが検討
 12〜1月4都市で報告会開く

 日本コンクリート工学会(JCI)のコンクリート基本技術調査委員会(委員長・十河茂幸近未来コンクリート研究会代表)は今年12月〜来年1月、4都市で報告会を開催する。「コンクリート工事における製造・施工のあるべき姿を目指して」と題するもので、5つのワーキンググループ(WG)のうち今回は3つのWGがこれまでの活動成果を報告する。あわせて「建設分野における生産性向上と品質確保」をテーマとする特別講演や「コンクリート工事における製造・施工のあるべき姿」についてパネルディスカッションも行う。十河委員長は2006年の準備会立ち上げから、これまで具体的な成果を報告できなかった養生に関して報告書がまとまり、それを報告できることが「今回の目玉」と述べる。
 開催案内によると報告会は「コンクリート工事のポイントを網羅した内容」で12月8日の東京会場(機械振興会館ホール<東京・芝公園>)を皮切りに実施。参加費(税・配布資料<WG報告書等3冊>含む)は各会場共通で個人正会員8,000円、団体会員・後援団体9,000円、会員外1万円、学生会員3,000円、学生非会員4,000円。東京以外の3会場は以下のとおり。
 大阪会場(12月19日)=建設交流館グリーンホール(大阪市西区立売堀)▽福岡会場(1月17日)=福岡県自治会館大会議室(福岡市博多区千代)▽仙台会場(1月23日)=東北大学青葉山東キャンパス工学研究科・人間環境系研究棟101号室(仙台市青葉区荒巻)
 十河委員長は同委員会設立の経緯について「JCIの中に基本技術的なものを常に追求していく委員会があるべきということで、山本泰彦先生(筑波大学名誉教授)が最初の立ち上げに尽力された」と振り返る。山本氏を委員長とする調査委員会は12年8月に不具合補修WGが報告書「施工中に発生した不具合の対処」を発刊するなどの成果をあげた。
 山本委員長の下で副委員長を務めた十河氏がバトンタッチされて、現在は準備工、コンクリート工、養生、製造、品質管理・検査の5WGが活動を展開している。準備工WG(中田善久主査)は型枠・支保工や鉄筋工について課題を整理しており、JCIの会報『コンクリート工学』の今年2〜4月号に「講座」を連載している。
 コンクリート工WG(柳井修司主査)は15年3月に「打込み・締固めの要領」と題する報告書をまとめている。当時は打込み・締固めWGで、近松竜一氏(故人)が主査を務めていた。


■3WGが研究成果紹介
 養生WG報告書に太鼓判

 今回の報告会は午前中に準備工、コンクリート工の両WGがこれらの成果を紹介する。とくに「打込み・締固めの要領は分かりやすくまとめられているものの、当時は東京でしか報告会を開いていない」と十河委員長は述べ、聴講を推奨している。
 報告会の午後の部は特別講演を挟んで養生WG(瀬古繁喜主査)が活動を報告する。「このWGの報告書だけで、参加費は十分に元が取れる」と十河委員長は太鼓判を押す。また、パネル討論の中で、暑中のコンクリート温度の問題や生コンの受入検査の在り方にも触れる予定とされている。
 特別講演は東京と仙台が土木研究所先端材料資源研究センター(iMaRRC)の渡辺博志グループ長、大阪会場は河野広隆京都大学大学院教授、福岡会場は武若耕司鹿児島大学院教授が行う。パネルディスカッションは特別講演を担当した各講師と十河委員長、3WGの成果報告者、さらに今回は活動成果報告を行わない製造および品質管理・検査の両WGメンバーも交えて行う計画である。
 基本技術調査委員会は十河委員長の下、三井住友建設の谷口秀明氏が副委員長、清水建設の太田達見氏が幹事を務めている。十河氏が委員長に就任する際、前委員長の山本名誉教授から「JCIの委員会も実際のモノづくり、現場経験のある建設会社の人が運営するべきである」との考えを聞かされたという。十河氏の委員長の任期(2年)は今年度まで。再任は妨げないが「2期か3期やればよい」とし、現在の任期をもって退任する意向を示す。山本前委員長の考えを踏襲し、次期委員長も建設会社の技術者がなる可能性が高そうだ。
 今回の報告会にとどまらず、同調査委員会はJCIの年次大会での討論会や『コンクリート工学』への寄稿など、機会をとらえて今後も情報発信に努めていく方針である。


■生コン、硬化後まで責任を
 JCI他委員会とも連携

 十河委員長は「現在、コンクリートのことを熟知しているのは生コン技術者であり、各地の生コン技術者は技術の向上に真摯に取り組みを進めていると理解し、将来的には生コン業界が製造家にとどまらず、施工現場に入り込み、打込み・締固めから硬化後までも責任をもってやっていただけるようになるとありがたい」と述べる。
 また、十河氏が関わっているJCIの委員会としては今年度、上野敦首都大学東京大学院准教授が委員長を務める。「コンクリートの各種性能評価試験法の合理化・省力化に関する研究委員会」があり、現時点では2年間の活動期間で「コンクリートの各種性能を評価する試験方法のうち、従来から実施されていながら合理的とは言えない試験方法を合理化あるいは省略化することを目的」(JCI「第50回定時社員総会参考書類」より)に研究を進めている。圧縮試験用の供試体をもう少し小さなものに置き換えることはできないか、あるいは全国生コンクリート工業組合連合会とセメント協会が検討を進めている曲げ強度試験を圧縮強度試験で代替できないか、など各種の評価試験方法の合理化・省力化を検討し、提案する計画である。基本技術調査委員会はこうした委員会とも連携して、今後も取り組みを進めていく方針である。